「孫子の兵法」守屋洋・著
孫子は、2500年ほど前に実在した孫武の著と知られています。
その後に、いろいろな兵家によって多くの兵法書が書かれましたが、ほとんどが残存しておらず、孫子が今の時代にまでも継承されているのは、それだけ優れているからだと考えられます。
武田信玄の風林火山も、孫子の兵法;軍事編から借用したものです。
また、ナポレオン皇帝も孫子の兵法を座右の書としていたそうです。
孫子の兵法の基本原則は、次の5つになります。
1.道:国民と君主を一心同体にさせるもの。これがあれば、国民は危険を恐れず、君主と生死を共にする。
2.天:昼夜、晴雨、寒暑、季節の時間的な条件。
3.地:地勢の険阻(道が険しいこと、山路)、地域の広さ、地形の有利不利などの地理的な条件。
4.将:智謀、信義、勇気、威厳など、将軍としての器量に係わる問題。
5.法:軍の編成、職責の分担、軍需物資の管理など、軍制に関する問題。
これらの5つの基本原則を、将軍は誰でも一応は心得ている。
しかし、これを真に理解している者でなければ、勝利はできない。
中途半端な理解では、勝利はおぼつかない。
加えて、次の7つの基本条件が勝利を決定します。
1.君主は、どちらが立派な政治をしているか。
2.将軍は、どちらが有能か。
3.天の時、地の利は、どちらが有利か。
4.法令は、どちらが徹底しているか。
5.軍隊は、どちらが精強であるか。
6.兵卒は、どちらが訓練されているか。
7.賞罰は、どちらが公正に行われているか。
これらの7つの基本条件を比較すれば、自ずと勝敗は見通すことができる。
上記の5つの基本原則と、7つの基本条件を現代の企業社会に応用してみると、次のようになるのではないかと思います。
基本原則
1.社員と経営者が一体となれる使命を持ち、目標達成に向かって共に全身全霊で立ち向かう。
2.外的な自然要因に対応できる職場環境を整える。
3.施設や本社の立地条件が良い。
4.経営者や経営陣が優れている。
5.組織構築、職務分掌、資材や現金の管理、規則がしっかりとできている。
基本条件
1.経営者は、どちらが立派な経営をしているか。
2.経営陣は、どちらが有能か。
3.自然環境、施設の立地条件は、どちらが有利か。
4.会社規程は、どちらが徹底しているか。
5.組織は、どちらが精強か。
6.社員は、どちらがよく教育訓練されているか。
7.賞罰や評価は、どちらが公正に行われているか。
いずれの原則、条件とも、どの企業の経営者も社員も、当然のごとくわかっていると思います。
しかし、ほんとうに理解して、それを実践できている組織が勝利を収めることができるということになります。
皆さんは、自社、自分について、どのように考えていますか。
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