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「ストロング・メディスン」や「新薬誕生」のように、創薬という行為や製薬会社を好意をもって扱っている本を紹介だけして、ネガティブな情報を取り扱っている本を紹介しない、というのは、不公平だろう。
そこで、今回紹介する本は「製薬会社の真実」という副題をつけた本書だ。
本書の著者は医学雑誌The New England Journal of Medicineの前編集長で、米国で最も影響力のある25人に選ばれたこともある人物だ。この著者が「製薬企業は不誠実で狡猾だ」と全力を挙げて告発するために著したのが本書である。
「製薬業界の技術革新力が特に優れているわけではない。重要な薬の多くは、公的研究やバイオテク企業から生まれている」
「製薬企業は薬が良く効くように見せかけるため、臨床試験に細工を施している」
「薬の開発に多額の資金が必要だというのは嘘で、ほとんどはマーケティングにかかる費用である」など等。
本書を読んで、どう思うかは読者に任されている。
僕は本書を読んで、ある意味、正論だな、と思った。
世の中の様々な業界にはそれぞれに「暗部」があることだろう。
その「暗部」を「必要悪」と言うには、それ相当な言い訳が必要だ(言い訳ができたとしても正当性が立証されるわけではないが)。
僕たちの業界だって「清廉潔白」で赤ちゃんのおしりみたいに綺麗だとは決して、単純に言えない、と僕は思っている。
その中には相撲協会のように、「業界の慣習」だけでやっていて、世間一般的には知られていないこともある。
話を本書に戻すが、製薬業界を知る(アメリカでの事例だが)、という意味では特に若い人たちに是非、読んでほしい。
本書に書かれていることは「偏見に満ちている」と思っても、全然、構わない。
ただ、本書を読んで、一度は自分たちの業界を振り返る機会にしてほしいのだ。
そして、自分の良心に従って、日本の医薬品業界を健全な業界としてリードしていってほしいと僕は思うのでした。
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