しかし、ジョンソン・エンド・ジョンソンのように企業が奉仕する優先順位として1に顧客、2に社員、3に地域社会、最後にようやく株主という基本理念を掲げる企業がアメリカの経営者から尊敬を集めているのも事実だ。
本書『ビジョナリー・カンパニー』は、アメリカの主要企業のCEOから採ったアンケートによって選び出された18社の歴史に対する6年間の調査から生み出されたレポートになっている。
企業を組織する人間が企業内に活力を生み出すのは、カネでは計れない動機づけにあるというシンプルな「真理」が、ライバル企業と比較された各社の資料、エピソードから浮き彫りにされる。
著者の1人であるコリンズはコンサルティングも手がける大学教授であるためか、随所に抽象化された概念と企業が取るべき方策が図を合わせて示される。
しかし、経営指南よりも、世界を代表する大企業の決断の歴史が斜め読みできる魅力の方が大きいだろう。
ライバル企業と比較検討しているところが面白く、永続の源泉を「基本理念」にあると解き明かす。
自分がある企業の社長、経営陣の一人になったつもりで読むと、一層、面白い。
長期的に、脅威とも思える強さを持つ企業がある。
なぜか景気が不況の時にも揺らがないように思える。
そんな胆力の内側を見ることができる。
本書『ビジョナリー・カンパニー』を読んで、会社としての基本的価値観をしっかりと持つこと、それを証明する仕組みを作ることの重要性を改めて感じた。
更には、この原則はカンパニーにおいてだけでなく、小さな組織においても、また個人においても適応できる。
ビジョナリーな環境に自分の周りを変えたい人、ビジョナリーな人になりたい人必見の本です。
●「ビジョナリー・カンパニー」時代を超える生存の原則
●ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則
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